狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-

ホテルの一室。

私は異様にはしゃいでいた。

「ウワー…意外と綺麗なんですね。おおっ、ベッドがデッカイ!1つしかないっ」

「そりゃあそうだろ。君ねえ…ここがどういう所か分かってんの?」

「モッチロン。あっ、見てみて『オモチャの自販機』だって。へぇ~、ナニこれカワイイ。カチョー、ちょっとお金貸してくださーい」
「や、止めなさいっ」

彼がそこに立ち塞がってしまったので、私はベッドにピョイっと上がって横切り、テレビの前にしゃがみこむ。

「テレビもデッカイ」

カラーボックスにDVDを見つけて、摘まんでデッキに入れてみた。
「『昼下がりのセレブたち』?聞いたことないなぁ」

ジーッ…

吸い込まれていくディスクを見ていると、彼がまた大慌てで、ベッド上を這ってきた。

「だから止めろって!」
ポチっと電源を落としてしまう。

「あーあ…」
「もうあちこちつつくんじゃありませんっ」
ハアハアと息を切らしながら、血相を変えて私の前に立つ大神サン。

私が指差してケタケタ笑うと、彼はムッと眉をしかめた。


それを見て私は笑うのを止め、
ベッドに上がってピシッと正座した。