狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-

それを聞いた時は、パアッと世界が明るくなった気がした。

ああ、カミサマありがとう……


やがてお日さまが頭の上にきて、正午が近づいてくると、彼が方向をクルリと変えて、来た道を帰り始める。

「あれ?赤野さん、どうかした?」
「あ、ううん、別に…」

すると私は、途端にヘンな寂しさに駆られ、すっかりトーンダウンしてしまった。


折角仲良くなれたのに、このまま別れちゃうなんて…


と、歩く早さを徐々に落とし、とうとう彼は立ち止まった。

「?」
あわせて私も止まる。
彼は少し困ったような様子で、メガネをキュッとかけ直した。


「あの、赤野さん……良かったら連絡先、交換しない?」

一瞬ポカンとした私は、しばらく言葉に詰まってしまった。

「ゴメン、会ったばかりでこんな…しかも仕事中に。ダメ…かな?」
彼は、バツが悪そうに尋ね直した。

「い、イエ!とんでもないっ。ゼヒとも!」
 
はっとして、大急ぎでカバンを探りスマートフォンを探し出す。