狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-

寺田さんは、どこまでも拡がる自然の中を、散歩がてらに案内してくれた。 

「ふえぇ…資料館なんかもあるんですか」
「うん。よく小学生なんかが、社会見学にも来るんだ。僕が案内したこともあるんだよ?」
「へぇぇ」
 
確かに、やんわりした物腰や優しい話し方は、子供さんにも好かれそう。
その上彼はとても物知りで、色々な話をしてくれた。

彼はユックリした歩調で、小さな私に合わせてくれている。
普通に男性と歩くと私は、いつも離されてしまうのだ。

ウレシい。
ここ最近、マトモな女の子扱いなんて、してもらえてなかったもの。

それが、こんなにステキなヒトに……


胸がドキリとトキメくたびに、私は会話を途切れさせまいと、彼に懸命に話しかけていた。

あまりにテンパり過ぎていて、どんな流れだったかは、さっぱり覚えていなけれど、話はいつの間にか、互いのプロフィールに及んでいた。

彼は27歳で、ここには3年前に人事異動できたんだそうだ。
モチロン独身、今は彼女もいないんだって!
賢い・優しい・カッコいい、3拍子全部揃ってるってのにだよ?