狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-

クローズの30分前、10時半には店を出た。
2人ともだんまりで、来た道をユルユルと歩きだす。

スゴいなあ、オオカミさんは。

私なんか、その日その日をミスなく楽しく過ごせたらそれでいいってのに。
仕事にそれだけのユメを持って、高い密度で真摯にやってくんだ……

“釣り合わない”

そんな言葉が、ふと頭の中を過った。


恋愛にしたって……そうだ。ごく当たり前に差し出された手を、取ることにすら躊躇する私。
きっと彼は(道義的に多少問題ありだとして)、当たり前にエスコートしてやってきたんだろう。

子供だって言われるのは、ナニも身長ばかりじゃない。
笑った顔や目線、大きな背中や雰囲気に一々ドキドキして、手も握れない私なんかは、相手にならなくて当たり前だ。
 
今こうやって隣り合って歩いて、軽口叩いていても、私たちはゼンゼン違う。

“オオカミさん”は、いつかは遠い存在になっちゃうんだろうなあ…


あれれ?何だろう私。
今、すごくネガティブだ。