レターオープナーが水色の光を反射している。
手で覆って、光を反射させないようにした。


「やった!いけた!」

赤い丸が表示され、画面が変わる。
核を守っていたガラスは姿を消し、核がそのままの状態になっている。

「これで終わらせる!」

多景屋さんがレターオープナーを持って狙いを定める。さなさんが目を見開き、急いでこっちに来た。


レターオープナーを振りおろし、政府の核は砕けた。

バラバラになった青い炎は、床に落ちて消えた。政府にとって重要なものは、床に落ちて、こんなにあっさりと消えてしまうのか。

「守れなかった……」

さなさんは無表情に見えるようで悲しそうな顔をしていた。

「さな、もう一度聞く。君は一体何者なんだ?」

腕に包帯を巻いている隊長が言った。

「私は命を奪う者。そして、世界を動かす者のコピー」

早名という人のコピーと言うことなのかな?

「誰によって生み出された?」

「政府によって。核を守るため。抑えきれなくなったあなたたちを消すため」

淡々と話している、私は悲しそうだと思った。

「私には個性が無い。唯一の役目の核も守れなかった。私は、何のためにここにいるの?」

「これからは、本当に国のために戦うんだ。道具は命を奪えないように改造する。一緒に戦ってほしい」

さなさんは戸惑っているようだった。けど、頷いた。

「これからは、国のために戦います」

決意が籠っているのが分かった。

「個性って別に探さなくてもいいですよ。私みたいになりますよ」

花彩さんが笑いながら言った。

「怜とか明瑠みたいに個性的なのも大変だぞ~」

「怜は認めるけど、私が大変ってどういうこと?」

日比谷さんの背中に上り、顔に怪しい試験管を近づけた。

「やめろ!撤回するから!」

そう言って鈴鹿さんを背中からおろした。

「一件落着、かな?」

犬養さんが微笑みながら言った。