「森田さん……!」

汗ばんだ手でマイクを握っていた。頭が真っ白になって、次の瞬間を恐れていた。
一秒後、森田さんの命が奪われたことを知るかもしれない。知りたくない。目を背けたい。

自分の油断のせいで死んだ人を見たくない。

自分勝手だけどそう思った。きっと一生忘れられない。ずっと罪を背負って生きていくことになる。

死なないで!

強く念じた。

日比谷さん達が森田さんに呼び掛ける。すると……

「意識が戻った!」

さなさんを槌で防いでいた花彩さんも一瞬手を止め、森田さんを見る。
一度光った後は次に光るまで時間がかかる。その間に森田さんを安全な場所に……

光る、何かが引っ掛かった。

「多景屋さん!」

まだ苦戦している多景屋さんのところに行く。無駄かもしれないけど試したいことがある。