「何故……あなたが……」

鈴鹿は私を大きな木へ引っ張っていく。木の枝に座ったら、鈴鹿が話し始める。

「なかなか任務がうまくいかないと思ったら政府が勝手なことしてたんだ……何も知らない人も巻き込むなんて……」

「政府!?」

「そう、自分たちに都合の悪いことを隠すためにあんなことをしていたらしいの。おそらく、川の問題等をあなたのせいにしようとしてたみたい」

成程……川が汚くなったのも私が疫を奪ったから……という感じで政府に不満が出来ないようにしたということか……許せない。

「ちょっとその杖かしてくれないかな?」

「いいけど……」

鈴鹿に杖を渡すと、杖を分解した後元に戻した。

「これで大丈夫!」

「どういうこと?」

「疫を浄化できるようにしたの!そして、疫を奪った後綺麗な状態が続くようにも!」

鈴鹿は自慢げに話す。それを確かめるために杖を川に向ける。すると、川の底が見えるくらい綺麗な水になる。葦が生え、ゴミも無い。

「葦はチッソ、リンとかを吸収して川を綺麗にしてくれるの。下水道の整備は政府を何とかしてからじゃないと難しいかな」

「じゃあ、政府を何とかするにはどうすればいい?」

「実は、ある作戦があるの。それを実行するには、皆が集まらないとだめなんだ。それで、任務も終わったし待ち合わせ場所に行こうと思っているの」

そう言って、薄い紫色の煙のようなものに乗る。煙のようなものは絨毯のように形を変える。

「ついてきてくれるかな?」

「もちろん!」

私は勇気を出して乗った。煙のようなものを操り空を飛ぶ鈴鹿は、昔好きだったアニメの魔法少女のようだった。