誘う幻想 ノーカウント37

「あっ雫!」

階段を上っていると自分たち以外の足音がしたので気がついた。

「明瑠……二人とも無事でよかった」

雫たちは階段を駆け上がり、明瑠たちに近づく。そのまま固まって階段を上り続ける。
ちょうど7階のところで鈴果が止まった。

「あっエスカレーターがある」

鈴果が指をさす方を見ると、確かにエスカレーターがあった。

「どこまでいけるのか、動いてるのか分からないけど……使えたらいいよね」

雫がエスカレーターを見て言う。

「見に行ってみよう!」

明瑠がそう言ったので、全員見に行くことにした。


もうすぐ……7階……
優里香は息が切れてきたが差が縮まっているので休憩できない。

「誰かいる!?」

誰かが階段を上ってきている。助かるかもしれないと期待したが、駆け上って来た誰かの姿を見て絶望した。
警備員だった。

敵に挟まれ、逃げ道がない。

「援軍が来たのは偶然ですが……逃げられるわけが無いのです」

絶望しかけた。その時だった。

「優里香ちゃん!」

雫が警備員を押しのけ、助けに来た。エスカレーターは動いておらず、がっかりしたところで、水帆が階段の音に気がついた。

「あなたが優里香ちゃんにひどいことしたのー?成敗!」

明瑠は銃を向け、引き金を引く。青色の何かが飛び出し、男の顔に張り付いた。

「それ特殊なアイマスクだから取れないよー。大丈夫、終わったら外してあげるから」

楽しそうに説明する。見えなければどこに逃げたのかもわからないだろう。

「助けて下さってありがとうございます!」

「いえいえ。あれ、清は?」

「8階にいるんです!行きましょう!」

下りたメンバーはここで集合する。問題なく行けばエレベーターに乗っているメンバーと合流できる。