誘う幻想 ノーカウント37

「このまま眠ってもらえば……」

明瑠は鈴果にもガスマスクを渡し、装着していた。このまま吸わせれば当分の間起きないだろう。鈴果は予想より早く解決したので驚いたが、これで皆のところに変えれると思うと安心した。

「皆寝てるね。じゃあ行こう」

エレベーターは使えないので階段を使う。一段目に足を乗せた時……

「効かないぞ」

警備員とはまた違う服装の男が背後にいた。ボサボサの黒い短髪、背は180cmくらい、そして帯刀している。

「げっ寝なかったの!?」

「俺は透架国軍だぞ!こんな薬で寝る程度の人間じゃない!」

大抵の人間はこれで眠る。透架国軍はどんな訓練をしているんだ!?、と思った。

「それじゃ、毒で苦しんでもらうしかないね!」

「毒で苦しむ程度の人間じゃない!」

男は抜刀し、襲いかかる。明瑠は金属を溶かす薬品を投げたが、刀は無傷だった。

「この程度なら振り払える」

刀が厄介だと思った。しかし、薬は効かないし力で勝負は出来ない。何か、対策が無いような珍しい薬は無いか探す。

あった。これにかけるしかない!

「安心しろ。抵抗しなければ傷つけない」

刀を納め、手錠を取り出す。今のうちに……

「最終毒、行けー!」

透明な薬品と紫色の薬品を混ぜると、気体が発生し蛇の形になる。蛇は口を開け、右手を噛んだ。

「くっ!」

男は手を抑え、噛まれていない方の手で抗毒血清を探す。抗毒血清を見つけ、使おうとした時、鈴果は道具を使って取り上げた。

「くそっ、返せ!」

「無理です」

取り上げた後ポケットに入れる。

「行きましょう。皆が待ってる」

鈴果たちは男を置いて、階段を上って行く。毒は手を三時間程動かなくさせることができる。しかし、三時間経ったらすぐに切れる。

三時間経つ前に、政府の核がある階に行かなければ……刀を持って追いかけられたくないと、二人とも思っていた。