誘う幻想 ノーカウント37

エレベーターは上がっていく。十三階に着くのを待っていたら、五階で扉が開いた。

「妨害ですか……」

そう言って、果島さんはエレベーターから出る。
花彩さんも出て、鎚を向ける。

「自分が自分でいたいなら、さっさと言ってください。ここに残るなら……どうなっても知りませんよ」

花彩さんの手は震えていた。

「調子に乗らない方がいいよ。顔を怪我したくないでしょ」

黒いスーツを着て、髪を一つにまとめた女の人が言った。

「無駄な戦いは避けたいの」

地面を蹴り、飛ぶように向かってくる。エレベーターの中に入るつもりだ!

「くそっ」

隊長はエレベーターの扉を閉めた。間一髪であの人から逃げられた。でも、果島さんと花彩さんは……?

「二人は絶対に戻ってくる。一人でもいい、最上階にいくぞ」

隊長はそう信じていた。光らなくなった5をじっと見ている。

私は戻ってくることを期待した。けど、簡単に行くとはおもっていなかった。