何あれ、自慢してんの?腹立つ。見下しやがって。
私は多景屋 真貴(たけや まき)。彼氏いない歴が年齢と同じのネトゲ廃人。いつもイライラしている。
道行くリア充を睨んで歩く。前をしっかり見ていなかったせいで電柱にぶつかる。くそっリア充め……
目の前が真っ暗になって、意識が遠ざかる……


「真っ暗……もしかして私、死んだ?」

リア充睨んでたせいで電柱にぶつかって死ぬなんて嫌だ!周りにどう説明すればいいんだよ!

「君はまだ死んでいない。でも、ここは元いた世界とは違うけどね」

男の声がする。

「じゃあここはどこ?」

「それは教えられない。でも、君にとって楽しい場所なんじゃないかな?」

そう言って、レターオープナーを渡す。真っ黒な柄で、刃がキラリと輝く。

「これは……?」

「それで、君の嫌いなリア充を滅ぼすのさ」

このかっこいいレターオープナーで、リア充を滅ぼす……?

「なにそれ最高!」

テンションが上がって飛び跳ねてしまう。

「引き受けてくれるかい?」

「もっちろん」

それを聞いて男が扉を開ける。私はこの先何があるのか楽しみにしながら外に出た。