部屋を出て、出口へ向かう。映画に出てきそうなトラップがあって飛び越えたり、壊したり……
2人で協力して、何とか無事に脱出できた。

「「脱出成功!」」

「うにゃー」

2人でポーズを決めてみた。それをタマちゃんが生温かい目で見る。

本当の家族に会えたから、タマちゃんともお別れしなくちゃいけないね……

「あの猫缶、誰からもらった?」

「えっ気付いたら持ってた……真っ黒なところで……」

「そうか……もしかしたら、政府に選ばれたのかもしれない……」

急に真面目な顔でよくわからないことを言われた。

「政府!?何で私が!?」

「俺もよくわからない。でも、それがわかるまで……俺について来てほしい」

よくわからない。この人がどれくらいの事を知っているのかも……でも、タマちゃんと一緒にいられるってことなら……

「わかった!」

「ありがとう、俺は新井 洋。よろしく」

「私は犬養 優里香」

猫1匹と人2人。よくわからないけど旅の始まり……かも。