私が迷っている時、部屋の窓から男の子が入ってくる。

「タマ！」

名前を呼んであの子に駆け寄る。けど、無視する。

「どうしたんだよ！俺の事忘れたのか……？」

ケージに手を入れ、涙を流している。この人が本当の家族だ。そう思った。

「あの……これ、あげて下さい。きっと思い出してくれると思います」

魔法の猫缶とお皿を渡した。もしかしたら、猫缶を私がタマちゃんにあげたせいで、勘違いをさせてしまったのかもしれない。
男の子が猫缶をあげると、缶から光が飛び出した。光はタマちゃんの中に入る。

「うにゃー」

男の子の手にスリスリしている。よかった……思い出したみたいだ。

「それでは、ここから出ましょう！」

缶の底をかざして、タマちゃんがケージから出た。