迷走女に激辛プロポーズ

毎度見る度思う。このアナウンサー、渋面の男前の上、名前まで渋い。“おおとりいきょうのすけ”って公家の出か?

チューチューとオレンジジュースを飲みながら、ニュースの内容よりアナウンサーの出生を気にする私は暇なのか、とおバカなことを考えていると、佑都がタオルで髪を拭きながら入って来た。

「ありがとう、さっぱりした」

白のTシャツとブルーのハーフパンツ姿。
それだけなのに、夜なのに、朝の雰囲気漂う爽やかさ。

スゴイ! イケメンは朝夜逆転技も持っているのか!
かなり本気で感心しながら、至極真っ当な質問をする。

「ドライヤーしないの?」
「あっち暑くて」

頭に被ったタオルの隙間から、なぜかこちらをチラッと見る。
何かを訴える目だ。

何だ? ここで乾かしたいのか? ドライヤーを取ってこいと言っているのか?
突然始まったジェスチャー・ゲーム。

私に戦いを挑んでいるのか? なら、対戦してやろう、と私は右手で自分の髪を一房持ち、左手の人差し指でそれを差し、ん? と訊ねる。

すると佑都が頷く。
おぉぉ、当たったらしい。

しかし、何て我が儘な奴だ、自分で持って来ればいいじゃないか、と思いながらドライヤーとブラシを持参する。