迷走女に激辛プロポーズ

部屋は1Kで、洋室八帖とキッチン・トイレ・バスルーム・洗面所がコンパクトにまとまっている。

洋室にはシングルベッド、ローテーブル、テレビにテレビ台、そして、腰高の本棚があるだけだ。

「思ったより片付いているな」

本当に失礼な奴だ!

「それにしても物がないな。普通、女ってゴテゴテ飾り立てるんじゃないのか?」

誰の部屋と比べて言っているのだ?

「普通の女の基準が分からない。でも、これが私の普通なの!」

ムッとしながら言う。

「フーン、似てるな、俺たち」

そう言えば、そうだったな……だからだったのかな? 佑都の部屋は、初っ端から居心地が良かった。

佑都はベッドを背もたれにして、ローテーブルを前に床に座る。

「私、汗かいたからシャワー浴びたいんだけど、先に使う?」

キッチンに向かい、冷蔵庫からペットボトルのお茶を取り出し佑都に渡しながら言う。
それ受け取りながら、何故か佑都は顔を赤らめ目を逸らす。

「イヤ、先に使え」
「じゃあ、お先に」

クローゼットを開け、着替えを取り出し、バスルームに向かう。

「あっ、テレビのリモコン、テーブルのそれだから、勝手に見ててね」

短く「ああ」と答える佑都は、何だか借りてきた猫のようにおとなしい。