迷走女に激辛プロポーズ

最後の「行きませんか?」のところで、少しでも可愛気が有るように、清香のように首を傾げてみる。

途端に佑都が盛大な溜息を付く。そして、やっぱりコイツはバカだったんだ、というように呆れ眼を向ける。

「いいから、とにかく乗れ」

「あっ、でも……」と言うと、私の唇に人差し指を当て、これ以上無駄口を叩くな、と目で制す。

それから、私を助手席に座らせ、自分も乗り込むと、早々にエンジンをかける。

「心配は無用だ。お前より、かなり賢いカーナビが居る。ここに住所を打ち込めば自然に着く。お前、自分の住所ぐらい言えるよな」

佑都は前方の液晶画面をコツコツと指で弾き、「分かったか!」というようにフンと鼻を鳴らす。

おー、そうかその手が有ったのか! とパチンと手を打ち「ウン」と頷き、カーナビを見つめ項垂れる。

メカに負けた……。

カーナビはやっぱりお利巧だった。迷う事無く我がマンションに到着した。
隣接するコインパーキングに車を停めてもらい、佑都と部屋に上がる。