迷走女に激辛プロポーズ

佑都の腰に腕を回し脇腹辺りのシャツをキュッと掴み、「エヘヘ」と笑う。

私を見下ろす佑都の目が糸になり、肩に置いた手が後頭部に移動し、佑都の方に引き寄せられる。

「牛子も可愛いが、今のお前はもっと可愛いぞ」

囁くように言いながら、ソッと髪に口づける。
牛子に勝った? それが何だか嬉しくて、また「エヘヘ」と笑う。

マンションに戻ると佑都は私をソファー座らせ、子犬を躾るように待てのポーズを取る。

「出掛ける準備をするから、ここにいろ」

酔っ払いの私は「はーい」と返事をしたまま、コロンとソファーに横になる。

ウトウトしていると「おい」と声がする。
塞がりそうな目をこじ開けると、着替えを済ませた佑都がペットボトルを差し出していた。

もう着替えたのか、と地味にビックリしたが、驚いたことに既に三十分程経っていて、ワープしたのかと更にビックリして目が覚める。

「大丈夫か、これ飲んどけ」

そう言えば喉が渇いているような……と他人事のように思いながら、ペットボトルを受け取り、早速、ゴクゴク喉を鳴らす。

冷たくて美味しい。次第に目覚めていく脳細胞。満足したところで、ブハッと息を吐き出す。

「ハー、美味しかった。用意できたの?」
「ああ、行くぞ」