迷走女に激辛プロポーズ

「大丈夫だ……たぶん」

たぶんって、何! そこは言い切ってよう!
後ろを振り向き、誰も居ないのを確認する。

「まぁ、とにかく、食べろ。今日はゆっくりしている暇は無い」

凄く誤魔化された感がする。違和感いっぱいだ。
だが、昼間のダメージが残る今、これ以上の戦いは無理だ。回復できなくなる。
だから、追及するのは後日にした。



「今日も美味しかったぁ~、焼きおにぎりぃ~」

節を付け、鼻歌を歌うように言う。

駅に近いセカンドは、一歩大通りに出ると夜でも昼のような賑やかさだ。私が陽気に歌っていても誰も気にしない。

セカンドから佑都のマンションは、会社を挟んで徒歩十分程の距離に在る。会社からは、どちらかと言えばセカンドの方が近い。

「ずいぶん機嫌がいいな」
「そりゃあそうでしょう。旨し酒と料理を堪能したのよ。最高にハッピー」

少しよろけた私を佑都が支える。そして、そのまま肩を抱く。飯友時代には無かったシチュエーションだ。

「それに俺と一緒だしな」佑都が耳元で囁く。
「そう、そう!」と軽く調子を合わせ相槌を打つと肩を抱く手に力が加わる。

婦女子はこのギューに弱いのよねぇ、と思いながらも、少し酔っ払って感覚が麻痺しているからキュン死はしない。その代り、いつもより少し大胆になる。