迷走女に激辛プロポーズ

オーマイガッ! そんな大事になっていたのか!

少しふらつくが、そんなことに構っちゃいられない。ムクリと起き上がると、私はベッドの上で正座をし、「大変申し訳ございませんでした」と深々と頭を下げる。

「ご迷惑お掛けしました。お世話になりました。不詳、大野木楓、このご恩は一生忘れません」

だが、人が真剣に謝罪の言葉を述べているのに、頭上から含み笑いが聞こえてくる。

何て失礼な奴なんだ、と頭を上げると……。

「なかなか色っぽい反省だ。それに免じて許してやる」

「それ」のところで、佑都が私の胸元を人差し指で差す。

ん? と我が身を見ると、Tシャツの襟繰りが大きく開け、左肩と胸元が露わになっていた。

起き掛け早々の痴態。泣きっ面に蜂。踏んだり蹴ったり。弱り目に祟り目。一難去ってまた一難。類語を浮かべて現実逃避するものの羞恥心は半端ない。

「とにかく無事生還おめでとう。腹減っただろ。食事の用意しとくから。シャワーを浴びろ。汗かいて気持ち悪いだろ」

コヤツ……優しい……弱った心に優しさは罪だ。絆されそうだ。