迷走女に激辛プロポーズ

「俺と一緒になるということは、そういうことも含めてだ。覚悟を決めろ」

分かっている。それが富豪との結婚だということも。
覚悟……というよりも、まぁ、諦めの境地に入っているのだが……ここでは言うまい。

「だが、全て従え、とは言わない。お前もせいぜい今まで同様、迷走を繰り返し、お前らしく前へ進め。だが、前も言ったが、乗ったからには途中下車は許さない。もう、お前を手放すことはできない」

それは私も同じだ……。

「前に言ったろ、高校生のお前を好きになったって」

突然何の話だ、と思いながら、そう言えば言っていたな、と思い出す。

「お前は全く覚えていないようだが、俺は何度かお前の家に遊びに行ったことあるんだぞ」

佑都の話では、兄がT大の特別講師をしていた頃、二人は先生と教え子として出会ったらしい。じゃあ、先輩じゃなく先生じゃないのか? 変な関係……と思いつつ、あぁ、宇宙人同士だから変で当たり前か、と妙な納得をする。

「お前の聡明な美しさに目を奪われ、一目惚れし、婚約者が居ると知って……失恋した」

それは初めて聞く彼の告白だった。
聡明な美しさって……何とも……かなり照れる。

「初めてだった。自分から好きになったのは。だから、失恋は強烈な痛みだった。やっと治癒しかけた頃、入社式で再会したんだ、お前と……」

「エッ、あの……それはごめんなさいでした」

軽く謝ると、ハムッと唇を食われる。