迷走女に激辛プロポーズ

佑都の手からグラスを受け取り、目線に掲げ、チラ見する佑都の瞳にアイコンタクトで頂きますをし、コクッと一口飲む。

冷たくて美味しい。

婚約初夜……ねぇ。
怒りを残したまま、彼の思惑に……乗る?
怒り……焼きもち……。

メイ・槇原にも百合子にも、彼の周りの全ての女性にも、その時抱いたあの思いが『焼きもち』というのなら、私は焼きもちを焼いていたのだろう……。

そう考えると、ずいぶん前から私は彼のことが好きで、誰にも渡したくなかったみたいだ。

すると……メイ・槇原は、ただのきっかけ、クルエラに過ぎなかっただけ?

今頃気付くなんて……笑いが込み上げる。
深層心理……そこではちゃんと自分の気持ちに気付いていたんだ。
ただ、自分が認めなかっただけだ。

咽喉ごしの良さを感じながら、コクコクとシャンパンを飲む。

「佑都……」
「ん?」

「今夜は一緒に寝ようね。婚約初夜だもんね」

ブホッ、と盛大にシャンパンを噴き出す佑都。
あ~あ、高価な物なのに、勿体ない。

「おっ、お前、今、何言った!」
「何って、一緒に寝ようねって……」

佑都はシャンパングラスを音を立てテーブルに置くと、ガバッと私に抱き着く。その拍子に私の手からグラスが滑り落ちる。