迷走女に激辛プロポーズ

「清香……長い間待たせてすまなかった。結婚しよう」

待っていた、というように、フワッと美しい笑みを浮かべ、コクンと頷く清香の瞳に涙が溢れる。

父も母も二人の関係を知っていたようだ。二人の目にも涙が浮かんでいる。
何て感動的なんだろう、と思っていると……。

「ウワーン! 感動です! 素敵です! おめでとうございます」

いきなり、泣きじゃくった遥香が、決意表明する。

「私も行ってきます! そして、ハッピーになります!」

皆が呆気に取られる中、脱兎の如く走り行く遥香。
その後ろ姿を見送りながら、圭吾がポツリ尋ねる。

「あの子何しに行くの?」
「――告白しに」

遥香の勢いに、涙の止まった清香が呆然と呟く。

「まぁ、何はともあれ、今回のパーティーも大成功だったな!」

一等最初に気を取り直した帝社長が、ご満悦気に豪快に笑う。
佑都がいつの間にか横に並び、肩を抱く。

「有耶無耶にするつもり?」

冷たい視線を彼に送る。

「焼きもちを焼いてもらうのも悪くない」

シレッと宣う佑都。コヤツ何様だ!
怒りに任せ、思いっ切り肘鉄を食らわせる。

フン! これじゃあ、私ばかりが好きじゃないか! 思い知れ!
ウッとお腹を押さえ、座り込む彼を尻目に、私はフードコーナーに向かう。

「天罰だ」とイーサンたちの笑い声が背中で聞こえる。

本当! 私のHAPPYは……まだまだ遠そうだ。