迷走女に激辛プロポーズ

「バカー!」

大声で叫び、佑都を押し退ける。
牛子パジャマの袖で唇を何度も拭う。

汚らわしい! その唇は、他の女とキスした唇だ!
烈火の怒りが佑都に伝わったようだ。

「お前、何を怒っているんだ?」

コヤツ、いけしゃあしゃあと!
フンと鼻を鳴らし、ハトムギ茶をグイッと勢いよく飲み、自分を落ち着かせる。

コヤツに変化球で迫っても負ける。もうイイ、ここはストレートで勝負だ!

「夕方、どこにいたの? 仕事じゃなかったの?」

一瞬、佑都の顔に驚きの表情が現れる。

「お前……何を見た?」
「エエ、女の人とチューするところをね」

フン、これでどうだ! もう、逃げられまい!

「アレを見た……クソッ、アイツがあんなことするから……楓、誤解するな、アイツは……何でもない奴だ」

言い淀んだな!

「何でもない人とチュー? 悪いけど、信用できない。信用できない人と一緒にいたくない。おやすみ」

あの狼狽え方。いつもの佑都はどうした! 普段、もっと上手に言い訳するだろう。アヤツ、完全に黒だ! どうしてくれよう!