迷走女に激辛プロポーズ

エッ、何この展開? 何だこの人たち、良い人? ヤバイ! こういう捨てられた子犬みたいな顔、弱い……。チリッと胸が痛む。だから、ちょっと同情心が出てしまった。

「あのね、良家のご令嬢だから、政略結婚とかあったらダメだけど、もっと周りを見れば? 貴女たちを好きだっていう殿方もいるらしいし……」

嗚呼、すべからずの禁を破ってしまった。
途端に彼女たちの目の色が変わる。

何だ? この人たち自分に自信がないのか?
イヤ! もしかしたら、自分の魅力に気付いていない?

真のお嬢様って……本当、不思議な生き物だ……。

そんなことを思っていると「誰ですそれ!」と壁に追い込まれ、取り囲まれ、三人同時に壁ドンしてきた。

グスン、さっき以上に恐い。



嗚呼、今日のような日を、踏んだり蹴ったりというのではなかろうか?
この雨と風は何?

やっとの思いで三人衆から逃れ、楽しみにしていた輸入食材専門店へ向かう途中だった。

いきなり降り出した雨は、あれよあれよという間に、前も見えないドシャ降りになり、おまけに台風かと思える横殴りの風で、傘も役立たずになり下がった。