普通なら引く。絶対に引く! こんな臭い演技。
だが、悔しいかな、また、うっかり見惚れてしまった。
私はこういう“男の色気”に弱い。初めて男性を色っぽいと思ったのは、とある男優の“瞳の演技”だった。艶やかな眼差し、色気有る流し目……あれはイケナイ。女を惑わす。
目は口ほどに物を言う、というが“切ない”や“恋しい”気持ちが、何も言わずとも伝わってきて、胸がキュンとしたりドキドキしたり、とにかく通常の五割り増し、その男優がイケメンに見えた。
――と同時に、女性より美しく色っぽい様に、戸籍上、本物の女にもかかわらず負けたと思った。
その時と同じ衝撃だ。心臓がドクドクと激しく鼓動する。
嗚呼、言い知れぬ敗北感。
クソッ、とその思いから逃れるように、無我の境地を求め無言で胡瓜を齧り始める。
一本、二本、そして、三本目を囓り終えた時、フト思う。
それにしても、焼きおにぎりとか……今のとか……俗に言う間接キス?
横目で佑都を見る。何事も無かったかのように涼しい顔でワインを飲んでいる。
その横顔にライトが当たり、妖美な陰影を作る。口惜しいほどに綺麗だ。
意味も無く三発ほど殴りたくなった。
イヤイヤいけない、ここは会員制バー・セカンド。ハイソな人々が集まる場所。
ブルンと凶暴な思いを追い払い、そうだ! こんな気分の時は、とウォーターグラスに残る氷に目をやる。
だが、悔しいかな、また、うっかり見惚れてしまった。
私はこういう“男の色気”に弱い。初めて男性を色っぽいと思ったのは、とある男優の“瞳の演技”だった。艶やかな眼差し、色気有る流し目……あれはイケナイ。女を惑わす。
目は口ほどに物を言う、というが“切ない”や“恋しい”気持ちが、何も言わずとも伝わってきて、胸がキュンとしたりドキドキしたり、とにかく通常の五割り増し、その男優がイケメンに見えた。
――と同時に、女性より美しく色っぽい様に、戸籍上、本物の女にもかかわらず負けたと思った。
その時と同じ衝撃だ。心臓がドクドクと激しく鼓動する。
嗚呼、言い知れぬ敗北感。
クソッ、とその思いから逃れるように、無我の境地を求め無言で胡瓜を齧り始める。
一本、二本、そして、三本目を囓り終えた時、フト思う。
それにしても、焼きおにぎりとか……今のとか……俗に言う間接キス?
横目で佑都を見る。何事も無かったかのように涼しい顔でワインを飲んでいる。
その横顔にライトが当たり、妖美な陰影を作る。口惜しいほどに綺麗だ。
意味も無く三発ほど殴りたくなった。
イヤイヤいけない、ここは会員制バー・セカンド。ハイソな人々が集まる場所。
ブルンと凶暴な思いを追い払い、そうだ! こんな気分の時は、とウォーターグラスに残る氷に目をやる。


