迷走女に激辛プロポーズ

ハァァァ、何だその断定は、と思っていると、奴の艶やかで形の良い唇が微かに上がる。

ウワッ、出た!
瞬時に心憂い様は消え、俺様佑都が顔を出す。

彼は私の瞳を捕らえたまま、私の唇が触れた二本の指を自分の口元近くで立てる。まるで指ピストルを作るように。

そして、私を見つめたまま、見せ付けるようにその指をゆっくりと自分の唇に近付け……人差し指……親指、と順に舐め取るように口に含む。

あまりに色っぽいその様に、釘付けになったように……目が逸らせない。

彼は最後の仕上げとばかりに、濡れた赤い舌先で唇の端をペロッと舐め、意味有り気に妖艶に微笑む。その瞬間、ハッと我に返り、顔を逸らす。

やだ、もしかしたら見惚れていた?

それを誤魔化すように、慌てて口を動かし、口内のプチトマトを咀嚼する。
ゴクリと飲み込んだところで、佑都が口を開く。

「甘くて美味しかったろ。俺も……美味かった」

美味かった? 何が……と彼を見る。
すると奴は、完璧なウインクと共に指ピストルを発射した。