迷走女に激辛プロポーズ

遥香はアハハと何でも無さ気に笑うが、私はそうじゃない。
必死で思い出していた。

あの時、私はなんて言っていた? 相当やさぐれていたぞ……。
そして、断片的な乱暴な言葉を思い出し青くなる。

「神崎君、それはどういう内容かな?」

佑都が私の悲壮な顔を見ながらニヤリと笑う。

「ハイ! そうおっしゃると思い、ダビングして参りました」

エッ、娘、冗談だろ?

しかし、期待空しく遥香はポーチからボイスレコーダーを取り出すと、早速スイッチを入れる。

そこから飛び出てきたのは、紛れもない私の声。

「チョイお待ち! ストップ! 止めなさい!」

瞬時にボイスレコーダーを奪おうするが、そうはさせぬと佑都が素早く動く。

二人の戦いが始まったと思ったら、一瞬でゴングが鳴り、試合終了。
私はあっという間に佑都に抱き竦められ、口を手で塞がれ、身動きが取れなくなる。

そんな私たちには目もくれず、喜々と聞き入る清香と遥香。
結局、会話は全部聞かれてしまった。