迷走女に激辛プロポーズ

何が参ったか、ざまあみろだぁ! バカヤロー! と怒鳴ったところで目覚めた。

半分起き上がったまま、あまりの夢見の悪さに呆然とする。
何だったのだあの夢は……。

呆然自失ながらも気付く。今日は土曜日だが仕事に行かねばならぬ日だと。
枕元のスマホを手に取り、時間を確認する。午前七時四十六分。

我が海外事業部は基本、九時五時土日休日制を取っている。いつもは六時半起床。完璧寝坊だ。

なのに機敏な行動が取れない。
のそのそとベッドを這い出し、ノロノロと用意を始める。

しかし、吸血鬼佑都、ドラマで見たどの吸血鬼よりも吸血鬼らしく、おまけに美しかった。はまり役だ。

今度吸血鬼役のモデルが必要な時は佑都を推薦しよう、と広報宣伝課の一員らしく仕事モードの頭で考えながら、身支度を済ます。

そして、リビングに「おはよう」の声と共に入るが、さっきまで人が居たような気配は有るものの、佑都の姿は見えない。

そのままダイニングに行く。ここにも佑都の姿は無かった。
その代わりテーブルの上に、ラップのかかった朝食が用意してあった。

佑都は時々、こんな風に朝食を作ってくれる。
それが嫌味なほど美味しい。

今日はホットサンド。
具は二種。アボガドベーコントマトとスクランブルエッグ。

その皿の下にメモが挟んであった。