迷走女に激辛プロポーズ

佑都は白いタキシードを着て、バラの花束の代わりに針千本を抱えていた。

妖艶な眼差し、深紅の唇……あぁ、吸血鬼でも佑都はやっぱり美しい、と夢界でも魅せられる。

彼の目線の先には美しい美女たち。
ミニ白無垢姿の清香・遥香・白百合のような人だ。

彼女たちは魅入られたようにベリーダンスを踊る。
艶めかしく揺れる魅惑的な肢体。時折こぼれる妖美な笑み。

唇から鋭く尖った八重歯が覗く。
胸が痛い。彼女たちも彼に魅せられ毒牙にかかったってしまったのね!

青白い月明りが、佑都の顔に深く明媚な陰影を作る。
艶やかな唇から覗く真っ白な牙……魅せられる。

彼の瞳がゆっくり私に向く。
獲物を見るような眼。私はその眼に射抜かれ固く石になる。

「お前は俺の下僕だ」

逃さない、というように彼の腕が私の体を絡め取る。
それでも口づけは優しく甘く……蠱惑(こわく)の味がする。

彼が跪く。
そして、針千本を私に差し出す。

「俺に囚われたからには、針千本に身を刺され、苦痛で秘めた心を暴かれるがいい」

佑都は声高らかに笑う。そして、捨て台詞を吐く。

「参ったか、ざまあみろ」

彼はその身を翻し……そして、会社に行ってしまった。