だが
グイっ……
腕を優しく掴まれる。
「あ、あの……」
「ちょっと来い」
そう言って、腕を掴まれたまますぐ近くにある雑居ビルの非常階段に座らされた。
ど、どうしよう……
知らない人にはついていっちゃだめって小さい頃から言われてたのに…っ!
振りほどいてまでして逃げたほうがいいのかもしれないのに、、、
ついてきてしまった…。
私の目の前にかがんでいる、さっき助けてくれた男の人の顔をちらっと見てみる。
漆黒の髪で黒いシャツ黒いスラックス、
シャツのぼたんは第2ボタンまで開けられシルバーアクセサリが耳と胸元に光っている。
