若頭に愛されて





「お願いですっっ!助けてください……!!」



今にも崩れそうで、おまけに潤んだ瞳で見つめられ、不意にドキッとくる。



いやいや、俺ドキッとしてる場合じゃないだろ!



「とりあえず中に入りな」



弘明と樹の顔も真剣になる。


何か、こう……

ただ事ではない感じがする。



「だ、大丈夫か…?なにがあったんだ?」



少女もそれに答えようと口をパクパクさせているが、声が出ていない。


次の瞬間、少女は気を失ったのか、シートにもたれ掛かる。



「おいっ…おい!大丈夫かっ…!?」



3人は顔を見合わせた。



「どうするんだこの子」
「なんかただ事じゃなさそうだぜ?」



二人もただ事じゃないことは感じ取っていたらしい。


あきらかに何かがおかしい。


「怜央さんに連絡しとくか」


「ああ…」



俺はケータイを取りだし電話をかける。



しかし、いくら待っても出ない。



ただいま電話に出ることができません、という無機質な音しか聞こえてこない。



「怜央さん出ねーわ」


「じゃあ琉生さんに掛けろ」


言われた通り、琉生さんに掛けると見事ツーコールで出てくれた。