若頭に愛されて




いきなり後ろから、鋭く低い声が聞こえた。

「あぁ?誰だてめぇ、俺らの邪魔すん……って、ええ!?あっ!れ、怜央さんっ!!」


「離せつってんだろーが」


「えっ、あっ、すすみませんっ」


金髪男は私の腕をパッと離し、慌てて人混みのなかに消えていった。


ただその様子を呆然と見つめ、一瞬なにが起こったのかわからなかった。


「大丈夫だったか…?」


さっきの鋭さはなくなり、低く優しい感じなのだがどこかクールだった。


すぐ横からこの声は聞こえ、恥ずかしさと申し訳なさで顔を上げられなかった。


「助けてくれて、、ありがとうございました、、。」


ほんとは目を見て言わなきゃいけないのに、、

お礼だけ言ってその場を立ち去ろうとした。