~救いの手No.1~
学校に行けばいじめに会い、家に帰れば心配してくれる家族すらいない。
龍からの2週間に1回のペースで暴力を振るわれ、治るはずのアザも治る頃にまた付けられの繰り返しだった。
もう、、、
無理だよ……。
私の身と心はもうすでに崩壊しかけていた。
よく今まで持ったな、と思うぐらいだ。
いじめが始まってから三ヶ月と半。
季節は卒業式シーズンを迎える春だった。
三年生は卒業し、1、2年生は進級する季節。
二年生の私は三年生になる。
先輩たちの卒業式を1週間前に控えた今、
今日も卒業式の練習で下校時刻が少し延び家についたのが18時だった。
「ただいま……」
蚊の鳴くような声で告げる。
当然返答があるわけがない。
着替えをすませ、食卓に行くとお皿にラップがしてありメモ書きが一緒にあった。
"食べろよ 龍"
何なんだろう。
この変な優しさ。
たまにこういう気まぐれに優しい時。