若頭に愛されて






次の日もいつも通り学校へ行く。


教室のドアを開けた。


いつもなら、私の姿が見えると四人が「おはよう」と、言ってくれるのに今日はその声がない。



「……?」



少し不思議に思ったが、まあトイレにでも行ったのだろうと思っていた。


私の席は、廊下側の一番後ろだ。


五分ほどたちすぐ後ろのドアがガラリと開いた。



「あ、おはよう」



入ってきたのが香奈たちだったのでおはよう、と声をかけた。



「もぉ~琉香大丈夫~?」


会話に夢中になっているのか私の方を見向きもせずに四人で過ぎていく。



ズキンっ……。



心の中に言い知れぬ不安が広がる。



うん、たまたまだよね。

周りがガヤガヤうるさくて聞こえなかっただけなのかも。



前向きに考え、変な不安を書き消そうとした。




しかし、香奈たちが過ぎていくとき、真ん中にいた琉香の姿が見えた。


手で顔を隠していたので琉香の表情はわからなかったが泣いているようだった。



琉香……。

大丈夫かな……。




朝のSHRがおわっても泣いているようだった。