「そっか……、彼氏いるんだ……。まぁ、そりゃそうだよね」
「え……?」
栗原くんが悲しげに微笑む。
「だって、城川さんめっちゃ可愛いので有名だもん。目とかすげぇ大きいしその白い肌もきれいって学年で有名だよ」
いやいやいや……!
可愛いだなんて、栗原くん言い過ぎだよ。
そんな噂聞いたことないしっ。
「そんな……っ、有名なんかじゃないです」
「ははっ、そんな謙虚なとこもいいね」
なんか誉められ過ぎて顔が熱い。
きっと真っ赤になってると思う……。
「彼氏がいたらさ……俺勝ち目ないからさ。城川さんとは友達になりたいな」
「うん……友達なら……」
「よっしゃ……っ!!」
そ、そんなことでそんなに喜んでくれるの!?ってほど喜んでいる。
友達なら……いいよね。
ガッツポーズして喜んでいる姿は、なんだか可愛くみえてくる。
「俺の話を聞いてくれてありがとう!じゃあ、未愛ちゃんまたね!」
「うん、またね」
ん……?
未愛ちゃん?
いつの間にか"城川さん"から"未愛ちゃん"に変わっていた。
剛人が振り返り様にてを振ってきたのでふりかえし家に帰るためにまた歩き始めた。
友達か……。
友達って、なんだろう……。
香奈たちと私は友達ってことになるのかな。
一緒に行動してたら友達?
話したら友達?
遊んだら友達?
私には、よくわからないかもしれない。
ふと、空を見上げると夕焼けのオレンジと夜の黒紫がまじってきれいだった。
