若頭に愛されて




不意をつかれた龍の体は後ろによろめいた。


今だ!


ベッドから立ち上がり階段を掛け下りリビングへ逃げ込んだ。


後ろから、


「待てやこらぁっ!!」


龍の怒鳴り声が聞こえる。


急いで、隠れようとリビングを見回したが隠れられる場所がない……。  


うそでしょ……。



とっさに逃げ込んだ場所が悪かった。


バンッ


振り替えるとそこには怒気を含んだ龍が立っていた。


「いや…………ぁ」


恐怖で足がすくみ言葉も思うように出てこない。


「よくも突き飛ばしてくれたな……っ」


龍が首の骨をポキポキッと鳴らす。


龍が一歩踏み出してきたので私は一歩下がった。


龍が一歩踏み出して近づいてくるたびに、逃げるように一歩ずつ下がる。