若頭に愛されて





「れ、怜央くん…」


意外にもすぐ目の前に怜央の顔があり、ついどもってしまった。

「きれいな髪だな…」

胸のとこまである髪を一房すくわれる。

「染めたのか?」

染めてないよ、とでも言うように、ううんと首を振る。

「そうか」

それでもなお、私の髪を優しく触る。

「……?」
「お前の髪は、、、触り心地がいい」

ふっ、と緩んだ顔にまたもやトクン…と胸がなる。
怜央の手はいつの間にか私の後頭部に回っていた。

それから、グッと怜央との顔の距離が近くなる。



な、なに……っ!?
なんでこんなに顔近いのっ…



怜央の漆黒の瞳に捕らえられ身動きできない。
そんな瞳に見つめられ高鳴る心臓の音が怜央に聞こえてしまいそうなほどドキドキしている。