「女に君づけされたのはじめてだ。別に未愛がそれがいいならそれにしろ」 ふいっ、と私から視線を少しずらした怜央を見て、もしかして…ツンデレ?、と思ってしまったことは黙っておこう。 こんな突拍子もない出会いが今後の私の人生を大きく変えてくれるとは思ってもいなかったんだ……。 急に強い風が通り抜け、おろしている茶色がかった髪が顔にかかる。 耳にかけ直そうとするよりも先に、怜央の手によって視界が開けた。