若頭に愛されて





「もうこんな怖いめに会いたくなければこの通りは使うな」

「え……?」

突然すぎて言葉を失う。

「今回のでわかったろ?この通りは危険だ。しかも女一人で通るなんてもってのほかだ」


「でもっ……んっ」


怜央につんっ、と人差し指で唇を塞がれる。

「お前を危険な目に会わせたくないんだ。だから…俺との約束を守ってくれ」



そこまで言われるとこれ以上言えなかった。
私の事を心配してくれているなんて……。
自分の事を心配してくれる人がいるってことに胸が熱くなるのはどうしてだろう。



「怜央さんも使わないの?」




「俺は男だ。そんなことなら対処できる。
あと、その怜央さんってのやめろ。よそよそしくて嫌いだ」