~悪魔執事とお嬢様~




「え、な、泣くな!!
これでは私が泣かせたみたいじゃないか!!」



「だーっでー!!

実際シャロンのせいで、エグッ、
泣いてるんだからぁ、ヒックッ……」



血まみれの服が涙まみれになった。


あーもう鬱陶しい!!

しかも、何度も何度も頬に
唇で攻撃してくる。


彼女はおばさまのような挨拶程度で
するキスではなく、

まるで“愛しい愛しい恋人”と涙の再開を
果たしたかのようにバカみたいに頬を
口紅だらけにしてきた。


イギリスはフランスのようにちょっとした知り合いや同性の人間とキスを繰り返したりする文化はないし、

ロシアのようにフランス以上に唇を無造作に押し付けあう文化もない!

大切な人間、あるいは親類のみだ。



「シリウス!!引きはがせっ!
というか、なんで全員動かないんだ!」



本当に、なんて役立たずな……



「ウウッ,お嬢、様、あらためて、私たちも、
泣きたいところですぅ!!!

ヒックッ,エグッ,ウワァーーーン!!」



ーードサッ!



まさかセーラまでこうなるとは。
ここまでくると信者だな。



「な、泣くな!!セーラ……、
俺だって…っウッ!

オれだって泣きてーんだよ
コンチクショーー!!ウォーーーーッ!」



ーードサッ!



エルまでアウトか。

もう既に三人が同じ状態でスゴいことに
なってるぞ?



「そ、そんな、」



「皆さん、」



「泣かないでください。」



次はメイザース兄弟か。


多分おんなじことになるんだろうな。



「僕たちも、」



「泣いちゃうじゃ、」



「ないですか!!」