「かなり、私の屋敷に
出入りしていたではありませんか?

子供だから、寝ていると思いましたか?


聞こえていますよ。亡くなったおじさまが
借金を背負っていたことくらい。」



「っ!それは…」



ーークス。


私が聞いたのは本当のことだったか。


心の奥底では違うのではないかと思いたがっていたのに。

なぜか、自分が哀れに感じる。


本当に哀れなのはおばさまだろうに。



「確かに、借金はあるけれど…。
というかほとんど返せてるけど。

でも、私は本当に、おばとして、
姪にたいして言ってるの!」



「だとしたら、
尚更この件に関わらないで頂きたい。

私を心配しているのも本当でしょうが、

会社を捨て、残った莫大な遺産を借金に
当てようとお考えなのも事実なのでは?」



「そ、そうだけど…」



肯定するのか…
そこは嘘でも普通否定するだろ。

いやむしろ、否定しないからこそおばさまらしいかもしれない。



「…分かった。流石に折れるわ。

じゃあ、
あなたはフォスター家を受け継ぐのね?


でもね、生ぬるいことじゃないわよ。
特に女が伯爵になるのは。」



諦めたかのようにため息をつき、彼女はそういいはなった。

男女差別か。

女伯爵は確かに必要とされていないし、滅多にいないからな。


しかし、なれないことはない。
私は一人娘で、うちは直径男系男子ではないのだから。



「構いません。」



「そう。
それと、これは悲しい報告となるけど。

前、メイドが勤めていたわよね?
確か、アニーって子。」



唐突に何を言うかと思えば…

そういえばいたな。昔。
バカクィンテットが来る前に。

名前は
アニー・ミル(Annie・mill)だったっけか?



「その娘が、どうかしたんですか?」

















「あの子、死んだわ。」