~悪魔執事とお嬢様~



例え、手をさしのべるのが
愚民共だとしても、


その手に爪が食い込むほどしっかりと
つかんで這い上がる。



それが私のやり方だ。



「では、転送します。

ああ、それと、
鎧の男は倒しそこなりましましたが、

その他の人間は誰にも見られぬよう、
きれいさっぱり片付けましたので。」



「さすがだな。」



私はそう呟いた。

本当にそう思ったし、
こいつを嫌悪をしているわけではない。

すごいものはすごいと認める。



「恐縮です。」



言葉だけなら普通だが、顔は当然だと
言わんばかりに嘲笑していた。


当たり前のように笑うな。


ちょっと誉めたらいい気になりやがって。



「転送しますので、
お口は閉じておいてください。

ついでに、まぶしいので、
目もつむっておいてくださいね。

ワン、トゥー、スリー。」



赤茶色のシリウスの目が、今は
血のように赤黒い。(白目は黒だ。)


本気を出すと新の姿になる化け物は
大勢いるが、コイツもまたその一人、

ということだろう。


しかし、そのワン、トゥー、スリー
ってのは口癖なのか?


まあいい。

とりあえず目をつむった。