「えっとなにこれ?」
「ん?なんだって?」
にやにやにやにや
左手を自分の耳元に当て片目を瞑る。もう1度言ってみろとばかりに。
「な…なんですか……これは…」
「あぁ、だからさっき『今は思いつかない』って言ったろ?だから俺のアドレス教えるから携帯出して」
ほら、とさらにぐいっと右手を出す。
私は渋々とポケットに入れていたスマートフォンを取り出すと乱暴に私の手から掻っ攫っていった。
「………っと、よし!ほら」
悠馬は左手で器用にスマートフォンをくるりと回転させると私の手持ちに向かって放り投げる。
「あ………っとと!」
私はそれを~危うく落としそうになったが~キャッチする。
「それじゃ今日の夜にでもメールするから。じゃね」
悠馬は手をひらひらさせると教室を出て行った。
ぴろりん♪
「え?なに?」
メールが1件届いていた。
しかし
開いてみると本文はなにも書かれていない。
誰かの悪戯かと思いホーム画面に戻ると、
「んな⁉︎」
ホーム画面の背景がさっき撮られた写真になっており、ピンク色でこう書かれていた。
おもちゃのしゅんかん♡
…あのガキ……!
