「あの…先生」







「あ、うん。どれかな?」







「えっと…ここの問題で…あ!」







「え…キャ!」







ガタタン!







突然悠馬がバランスを崩し、唯に覆い被さるように倒れこんだ。







「う、いててて…」







パシャ!







「え?なに今の?シャッター音…カメラ?」





突然教室内に響いたシャッター音







「シシシ!取れてる取れてる!」






すると突然悠馬の口調が変わった。






「なに?どういうこと!」







「ん?あぁ…、あらかじめこの時間に写真が撮れるようにセットしてたんだ。ほら、これ見てよ」







口調だけじゃない。態度や仕草もさっきまでの人物と同じとは思えない。






しかも手に握っているスマートフォンのディスプレイには私が悠馬君に覆い被さるように写っていて、







「これは問題になるかもね〜!職場体験中の先生が生徒を空き教室で押し倒すなんて」






「ちょ…!なに言ってるの?それ消して!」







スマートフォンへと手を伸ばすが、くるりと回転してそれを躱す。






「だーめ!
んー、でも、どうしても消してほしいっていうなら考えなくもないかな〜」







「…どうすればいいの?」






すると突然満面の笑みを浮かべて、







「今日から卒業までの1年間!俺の"玩具"になる…って事で!」







「んな…!」







彼はスッと立ち上がると私を見下し満面の笑みをゲスい笑みに変え、






「ししし!ようこそ!藤代学園中等部へ!玩具~ゆいせんせ~!」






これが私たちの"最悪"の出会いであり物語の始まりだった。