コンコン
「どうぞ」
今私は三夏ちゃんと初めて出会ったあの教室に来ている。
はっきり言おう
私は緊張している
何故こんなに緊張しているのかというと
前日
「今日は本当にありがとうございました!」
唯の手をぎゅっと両手で包み込むように握り、三夏は満面の笑みを浮かべる。
「いや、私も楽しかったし。それに…」
何か言いたげな様子でいる唯に対して三夏は可愛らしく首をかしげる。
今日したことといえば3人でお茶しておしゃべりして、その後に三夏ちゃんと2人で買い物ついでにぶらぶらしていただけ。
本当にただのデートだった。
正直私は最初に「デートしてください」と言われた時から何かあるんじゃないか?って考えていた。
デート中もずっと頭の片隅にはその考えがあった。
だからこそ本当にデートをしただけのこの状況に少し違和感を覚える。