私と彼の一年物語








「玖珂君…だっけ?今なんて?」







「はぁ?だからなんで中学生のあんたが先生なんて呼ばれ…」







てんだよ!と言いかけ涼紀は口を止める。







顎に手を当て目を瞑り少し考える…ようなポーズをとっている。







「あぁ!そっかそっか!アダ名か!」






この人実は馬鹿なのかな?






さっき三夏が言った







『私の"学校"の先生』







という部分はすっかり忘れてるようだ。







「……中学生でもなければアダ名でもありません、常葉高校2年の南条です」







「は?高校生?その顔で?」







「貴方に顔がどーこう言われたくないです!」







「女の子の顔に文句つけるとか最低〜」







三夏はジトーっと涼紀を横目に見ながらそう呟くとすぐに目線を逸らす。







「別に文句は付けてないだろ!それに…」







目線をちらりと三夏に送るが「あぁもう!」と呟きすぐに唯に戻し







「高校生だとしても教師やってるって変だろ!」







ビシッとこちらに向けて指をさす涼紀







それに対して唯の反応は







「はぁ…常葉高校で検索してホームページ見て……」







面倒くさくなったのか疲れたのか、がっくりと肩を落とし額に手を当ててそう言った。