「あっ、あたしの家ここなんです。」

「お、おう」


「わざわざ家まで送ってくださってありがとうございました。」


「おう。じゃあな。」



クルリと後ろを向く晶くん。


「あのっ!」


…何故か、

「…何?」



引き止めてしまった。


「あ、あの、晶くん、笑ってる方がいいと思う…のです。」


「…ん、さんきゅ」


何を言うか決まってなかったから、とっさに出たセリフ。

“笑ってた方がいい”って……何言ってんの?あたし。





優しく笑う晶くん。


そのまま帰ってしまった。




笑ってくれたら、胸がキュンとする。


まだ知り合って1日も経ってないのに。

なんで、こんなに…



なんで?