「さて、帰るか。」

「…?買わないんですか?」

「おう」


ニカッと笑い晶くん。








―…ドキン



へっ!?


“ドキン”?
何、コレ…。



…なにかの病気の前触れ?

今日は早く寝よ。




「じゃ、行くか」


「…はい」



本屋を出るとあたりは薄暗かった。


チカチカと灯る電気。




やっぱり、無言で沈黙。

なんとなく好きだった沈黙。



だけど

今は何か喋ってほしい。


今にも、あたしの心臓の“ドキン”て音が聴こえそうで。




なんでなのかな。