暗闇の中で



「そんなことで落ち込んでんの?なんかタックンらしくないねぇ〜?」


「そのタックンってヤメロ」



すると宮地はぐい、と俺の首に腕を回し、耳元に顔を近付けた。




「じゃあ俺がお前に試練与えてやるよ」

「は?試練?」

「そっ、お前がほんとーにひなたちゃんの事を思ってるか、試すってこと」




宮地は「まぁ任しとけ!」と言って俺の肩を軽々しく叩く。


イタズラ神経のある宮地は何を企んでいるのか分からない。


またしょうがない事を考えているのだと、そこまで深くは考えなかった。



未来を予知する力なんてない俺は、何があるとも知らずに−−−。