夕日が沈みだし、すでに辺りは暗く、学校は異様な空気に包まれている。
部活が終わり、一人自主練をして残っていた俺は、誰もいない更衣室で制服に着替えていた。
そのとき。
部活をやってない宮地が、用事もないはずの更衣室に入って来た。
「あれ?お前…今日帰ってなかったっけ?」
「保健室で女とイチャついてた(笑)…じゃなくて。ひなたちゃんが体育館で呼んでるぞ」
…は?ひなたが?
「あいつ、まだ帰ってねェの?」
「うん。お前が帰るのを校門で待ってたよ。なかなか遅いから体育館行った。たぶんすれ違いになったんだな」
今日は自主練するから先に帰っていいと言ったはずなのに…おかしい。
アイツ…こんな遅い時間に何やってんだよ。
「分かった、行ってくる」
俺は閉めかけのベルトを直し、慌ててシャツを来て更衣室から出た。
ボタンを掛け間違えていても気にしない。
とにかく、こんな遅い時間だから早くひなたを帰らせないと…−−。

